【チーム】秋田豊氏 新監督就任記者会見を実施いたしました
2019年12月11日

本日、12月10日(火)、盛岡市内にて2020シーズンより監督に就任する秋田豊新監督の記者会見を実施いたしました。

 


<代表取締役社長/宮野聡>

皆さん、こんにちは。本日はお忙しいなかお集まり頂きありがとうございます。このたび、いわてグルージャ盛岡は来シーズンの新監督として秋田豊氏を招聘させて頂くことになりました。秋田氏に関しましては皆さんご存じの通り、1998年に日本が初めて出場したフランスW杯、自国開催となった2002年の日韓W杯の2大会連続で日本代表メンバーとして選出された素晴らしい経歴をお持ちの方です。鹿島アントラーズをはじめとするJ1クラブでの選手としての経験はもちろんのこと、Jリーグクラブでも指導経験もございます。今回招聘させて頂くにあたり、現在のいわてグルージャ盛岡の戦況、岩手県におけるプロスポーツの根付かせ方などを総合的に勘案して秋田氏の指導経験やノウハウを、今後弊クラブのみならず様々な形で岩手県全体に貢献頂けるという想いを確信しまして、今回就任頂く運びとなりました。来シーズン以降のJ2昇格圏内進出とJ2ライセンス取得に向けてより一層頑張って参りますので、何卒よろしくお願いいたします。

 

<新監督/秋田豊氏>

こんにちは。秋田豊です。本日はお忙しい中お集まり頂きありがとうございます。まずはじめに、このいわてグルージャ盛岡の監督就任にあたってご尽力頂いた関係者の皆さん、本当にありがとうございます。私はFC町田ゼルビアで監督させて頂いてから7年ぶりの現場復帰となり、非常にワクワクしております。オファーを頂いてから、もともと復興支援の関係で岩手には何度も足を運ばせて頂いていたりしたので、すごく親近感も湧いているというのが率直な想いです。僕自身がやらなければいけないことは何かというと、もちろんクラブをJ2に昇格させることだと思っていますし、もう一つは岩手の方々に勇気と希望を与えられるゲームを見せること、そして結果を出していくことが大事かと思っておりますので、厳しい試合が続くと思いますけど、よろしくお願いいたします。

 

<新GM就任について>

【宮野】:3シーズンにわたって指揮を執って頂いた菊池利三氏に関しましては、来シーズン以降クラブのGMとして就任頂くことになりました。この背景としては、皆さんご存じの通り、岩手を代表するJリーガーとしてのご活躍の経験、また岩手県において指導者の経験を通じたご経験をクラブに還元頂きたく、今回の運びとなりました。GMとして、過去3シーズンのご経験を生かして頂きながら、チーム・フロント一岩となってJ3優勝に向けてサポートして頂ければと思っております。

 

<新GM/菊池利三氏>

皆さん、お忙しい中お集まり頂きありがとうございます。来シーズンよりGMをさせて頂くこととなりました菊池利三です。今回、秋田さんがこの監督として岩手県に来るということは本当に大きなことだと思っています。そしてそのサポートを出来るということに関して喜びを感じております。私の在任中はなかなか苦しいシーズンもありましたが、来シーズンは目指すべき方向性が見えていると思いますので、そこに到達できるように自分ができることを全面に出し切って秋田監督をサポートしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

<質疑応答>

■秋田新監督が考えるチームの課題と今後チームをどういう風に強化していきたいか、その方針を教えて欲しい。

(秋田):正直言って、J3というリーグは上から下までそんなに力量差があると思っていません。今年でいうと勝ち点68でギラヴァンツ北九州は優勝していますが、本来18チームであれば70くらいなくてはいけない。いわてグルージャ盛岡の試合をいくつか見させて頂きましたが、上位チーム相手にも遜色なく戦えていたにも関わらず、勝てていなかったのが非常に残念で、そこの課題として菊池新GMとも話をさせて頂きましたが、守備力とフィジカル、90分を通じてシーズンを戦えるコンディションを変えていけるのではないかと思います。補強ポイントは守備の部分ももちろんそうなのですが、全体的なレベルアップは必要だと思っています。今のレベルでは優勝は非常に難しいと思っていますので、何もかも変えるくらいの気持ちで取り組まないといけないと感じています。

 

■今シーズン最下位のチームを引き受けた意味を教えて欲しい。

(秋田):なぜこのクラブの監督を引き受けたかというと、可能性を感じたからです。例えば、菊池利三さんが監督をされていて苦しんだのは選手層の薄さであったり、プロフェッショナルな選手が足りないという現状があった中で来シーズンからはしっかりと補強もして頂ける部分であったり、クラブを変えるというのがオーナーの意向でもありましたので、その気持ちに打たれて引き受けました。自信は充分にあります。色々なゲーム、チームを見させて頂きましたが、J3のレベルもある程度把握させて頂きましたし、GMも3年間戦っていますから、チーム全体が同じ方向を向いて一岩となってやれれば充分に結果を出せると思っています。

 

■改めて7年ぶりとなる現場復帰にかける想いを教えて欲しい。

(秋田):僕自身は現役の20代後半くらいから指導者になりたいと考えていました。その中で京都のコーチとして指導者のキャリアをスタートさせて頂きましたが、この指導者という職業はプロの世界である以上、ずっと出来るわけではないですし、監督になった瞬間から監督を辞めるカウントダウンが同時に始まります。そういう職業だというのは充分に理解していますし、またそういうチャンスを頂けたというのは非常に嬉しく思っていますし、自分の夢に向かってまた一歩踏み出せたのではないかと思いますので、非常に高揚しています。逆に色々考えすぎて寝られない時もありますが。やることはたくさんありますが、それが今一番楽しいなと思います。

 

■ご自身の目指すサッカーはどういったものなのか?また、解説などで外からサッカーを見ている経験が指導者復帰にあたって生きていることがあると思うか?

(秋田):目指すサッカーとしてはまず「勝つ」ということですね。勝つ為に自分たちに何が出来るのかというのを考えるサッカーをしていきたいと思います。寒さや暑さなどの気候やグラウンドも整っていない環境でメンバーも揃わない可能性もある。相手が攻めてくる時もあれば引かれてしまう時もある。様々な条件下で勝つ為に最善の準備と自分たちで判断できるチーム作りをしていきたいと思います。現場を離れて一番学んだのは人への伝え方です。現役の頃は「指導者なんて簡単だ」と思っている部分もありました。しかし、色々なところで指導者として経験させて頂いて、「自分と同じじゃない」ということと、いかに選手のモチベーションを上げ、いかに同じ方向を向かせ、いかに伝えるのかというところを自分自身の課題としてずっと持っていたのですが、この7年間で会社を立ち上げたり、色々な人とお会いしたり、子供から大学生、女子も教えましたし、そういった中で伝え方やタイミングを非常に学ばせて頂いたと感じていますので、それを活かせれば一番良いのかなと思います。

 

■岩手の地に対する印象は?

(秋田):陸前高田とか遠野とか、東日本大震災発生後すぐにこちらに来させて頂いて、復興支援もさせて頂きましたし、悲惨な状況も目の当たりにする中でもともと僕個人でチャリティーサッカースクールを立ち上げて累計で1000万円近くを集めてこちらに寄付させて頂いたりしたので、そういう意味で思い入れは非常に強い地域です。もともと「もっと岩手と関わりを持てないかな」という想いはある中だったので、岩手に来ること自体は何の躊躇いもありませんでした。盛岡商業高校の元監督である斎藤重信さんのことも存じ上げておりますし、遠いようで近い存在として「岩手」という土地は自分の中ですっと入ってきた感じですね。

 

■斎藤先生からは何か言葉はあったのか?

(秋田):就任が決まってからお電話させて頂いて「ぜひとも岩手の為に頑張って欲しい」という言葉を頂きました。

 

■日本代表としてご経験のあるご自身が「これだけは浸透させたい」というものはあるか?

(秋田):勝者のメンタリティーですね。プロフェッショナルである以上、勝たないと評価されないし、上を目指すという意味でみんなで同じ方向を向いて戦えれば良いと思います。

 

■「勇気と希望を与える」という話があったが、「勝利にこだわる」という認識で合っているか?

(秋田):スポーツの本来持っている良いところは、例えば高校サッカーや高校野球はプロよりもレベルは低いと思いますが、ファンがたくさんいます。人が一生懸命、積み重ねたことを表現することによって「諦めない」「戦う」「一生懸命」という当たり前のことなんですが、このご時世そういった部分がすごく希薄になったと感じています。タッチラインを割りそうなボールを何とか出さないように必死で走るという姿はJリーグが開幕した頃はどんな試合でも見られました。一生懸命戦っていますし、走りきるし、そういう姿を見てお客さんやサポーターが増えてきたと思うんです。その当たり前のことをやり続けることによって、岩手の方々に「勝てなかったことが勝てるようになる」「出来なかったことが出来るようになる」ということを伝えられたら良いなと思います。

 

■菊池新GMに聞きたい。現役時代には秋田新監督と対戦経験もあると思うが、印象とどの部分に期待しているか教えて欲しい。

(菊池):何度か現役時代に対戦させて頂きましたが、我々のアタッカーに何もさせないようなハードな守備をされていた印象です。一つ強烈に覚えているのがガンバ大阪でプレーしていた当時チームメイトのパトリックエムボマという選手が後ろからドロップキックされていたようなシーンが今でも忘れられません。(笑)今やったら10試合くらいは軽く出場停止になるような守備でしたが、自分がプレーしていたチームが得点を取れない先には秋田さんがいる、というような感じでした。今回、秋田さんに岩手に来て頂いて選手としてのキャリアもそうですし、人間的な器の大きさも自分としては学ばせて頂けたらと思います。

 

■岩手は他の地域に比べてサッカー熱が高まっていないように感じるが、秋田新監督はどのように高めていきたいか?

(秋田):結局勝っていくことしかないと思います。現場では勝つことが第一、そこからできることは地域への貢献が大事だと感じています。積極的に出て行って子供から大人までサッカーを教えられればと思います。

 

■秋田新監督の中で持っているスローガンがあれば教えて欲しい。

(秋田):「to WIN」です。最初にお話させて頂きましたが、勝つ為に自分たちが今何をしなくてはいけないのかを考えるチームにしたいと思っています。例えば攻撃的なサッカーをしたいですが、それをする為に何をするのか、というのを考えることで結果として「勝つ」ということに繋がってくると思うので、そこを追求したいと思います。

 

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